- 中古リノベでマイホームを手に入れたいけど、住宅ローンの事前審査が不安
- 住宅ローンの事前審査は何を見られるんだろう?
- もし住宅ローンの事前審査に落ちたら、マイホームは買えないのかな?
マイホームの購入を考え始めたものの、住宅ローンの事前審査について戸惑っていませんか?中古物件のリノベーションを選択すると、新築購入とは違う手続きが発生します。住宅ローンの事前審査の進め方がわからず、不安に感じる方もいるでしょう。
この記事では住宅ローンの事前審査でチェックされるポイントや必要書類、通過するためのコツを解説します。記事を読めば住宅ローンの事前審査への理解が深まり、必要な準備や対策を始められます。
住宅ローンの事前審査で重視される項目は、返済能力と信用情報です。自分の状況を把握し借入額や他のローンを見直すことで、事前審査通過の可能性が上がります。
住宅ローンの事前審査(仮審査)とは本審査の前に行う簡易的な審査

住宅ローンの事前審査の基礎知識について以下に解説します。
- 事前審査は目安、本審査でローンが確定する
- 事前審査にかかる時間は金融機関によって異なる
事前審査は目安、本審査でローンが確定する
住宅ローンの事前審査は借入可能額の目安を知るための簡易的な審査です。事前審査でローン契約が確約されるわけではなく、正式な融資の可否や条件は本審査で決定されるためです。事前審査では申込者の返済能力を大まかに確認し、本審査では物件の価値や健康状態まで含めて総合的に判断されます。
事前審査を通過しても本審査で融資を断られたり、借入額が減額されたりする可能性もあります。実際に借りられる金額や金利などの正式な条件は本審査の結果をもって確定するため、事前審査は目安として考えましょう。
事前審査にかかる時間は金融機関によって異なる
住宅ローンの事前審査にかかる時間は、金融機関によって大きく異なります。一般的には3日~1週間程度が目安ですが、審査方法や体制が金融機関により異なるため、審査スピードに差が生じます。事前審査にかかる時間の目安は以下のとおりです。
- ネット銀行
- 住宅ローンの事前審査にAIを導入していることが多く、最短即日から長くても3営業日ほどで結果が出ます。
- メガバンク
- 住宅ローンの事前審査は比較的早く、2~4営業日程度で回答を得られる傾向にあります。
- 地方銀行や信用金庫
- 住宅ローンの事前審査において対面での手続きや丁寧な確認を重視するため、1週間以上かかるケースも見られます。
書類の不備や追加の確認が必要な場合は、事前審査期間が長引く場合があります。
住宅ローンの事前審査でチェックされる3つのポイント

住宅ローンの事前審査では以下の3つのポイントを確認されます。
- 年齢や健康状態
- 年収や返済負担率
- 信用情報
年齢や健康状態
住宅ローンの事前審査では借入時・完済時の年齢や健康状態、団体信用生命保険(団信)へ加入できるかどうかが確認されます。団信とは住宅ローンの契約者に万が一のことがあった場合、残りの住宅ローンを保険金で返済する制度です。
事前審査で金融機関は貸したお金を長期間にわたり安定して返済してもらえるかを判断します。健康状態が原因で通常の団信に加入できない場合は、加入条件が緩和されたワイド団信の利用が可能です。
年収や返済負担率

住宅ローンの事前審査では年収だけでなく、安定して返済できるかを示す「返済負担率」も重視されます。金融機関は貸したお金が確実に返済されるかを重視し、住宅ローン申込者の返済能力を慎重に判断するためです。
事前審査で使われる年収は手取り額ではなく、税金などが引かれる前の額面年収が基準となります。年収に加えて収入の安定性や勤務先の経営状況、勤続年数も事前審査の対象に含まれます。
返済負担率の上限設定は30~35%が一般的ですが、無理のない返済計画を立てるには25%以下に抑えることがおすすめです。返済負担率の計算には住宅ローンだけでなく、自動車ローンやカードローン、奨学金の借入が含まれる点に注意しましょう。
» 年収に対する住宅ローンの目安は?無理のない返済のポイントを解説
信用情報
住宅ローンの事前審査では申込者の信用情報も確認されます。金融機関は申込者が過去に返済義務を果たしてきたかどうかを、信用情報をもとに判断するためです。金融機関は信用情報機関に登録されている情報を照会し、以下の内容をチェックします。
- クレジットカードやローン返済の延滞履歴
- カードローンや自動車ローンなど、他の借入件数と総額
- 過去の自己破産や任意整理などの記録
- 携帯電話の分割払いや奨学金返済の遅延の有無
- 短期間での複数のクレジットカードやローンへの申込情報
住宅ローンの事前審査に必要な書類

住宅ローンの事前審査に必要な書類は以下のとおりです。
- 本人確認書類
- 収入を証明する書類
- 購入物件の確認書類
本人確認書類
住宅ローンの事前審査の申し込みでは申込者本人であることを証明する書類の提出が求められます。本人確認書類は金融機関が住宅ローン申込者の情報を確認し、なりすましなどの不正を防ぐために必要です。本人確認書類は以下のいずれかをコピーして提出しましょう。
- 運転免許証(両面)
- マイナンバーカード(表面)
- パスポート(顔写真と所持人記入欄のページ)
- 健康保険証(両面)
- 住民票の写し
- 在留カードまたは特別永住者証明書(外国籍の場合)
本人確認書類を提出する際は必ず有効期限内のものを用意してください。
収入を証明する書類

住宅ローンの事前審査では申込者の収入を証明する書類の提出が求められます。金融機関は申込者の住宅ローン返済能力を確認するため、正確な年収を把握する必要があります。会社員の場合、収入を証明する書類は以下のとおりです。
- 源泉徴収票
- 住民税決定通知書または課税証明書
- 確定申告書の控え
- 給与明細書の写し
副業をしている方や転職して間もない方は、追加で収入を証明する書類が必要になるケースがあります。
購入物件の確認書類
住宅ローンで購入予定の物件を証明する書類の準備も必要です。金融機関は物件の価値を評価し、融資の可否を判断します。物件の正確な情報がなければ金融機関は適正な住宅ローンの融資額を決定できません。購入予定の物件の価値を証明するために必要な書類は以下のとおりです。
- パンフレットやチラシなど物件の概要がわかる書類
- 売買契約書の写し(契約前の案で構いません)
- 重要事項説明書の写し(契約前の案で構いません)
- 登記事項証明書(登記簿謄本)の写し
- 建築確認済証や検査済証の写し
- 公図や測量図、建物図面などの図面類
中古物件の場合は売主や不動産会社を通じて購入物件の確認書類を入手してください。リノベーションを行う場合はリノベーション費用も住宅ローンに含むことが多いため、リフォームの見積書や工事請負契約書も必要です。
住宅ローンの事前審査を通過するためのコツ3選

住宅ローンの事前審査を通過するためのコツを以下に紹介します。
- 借入希望額や返済期間を見直す
- 他のローンを完済する
- 安定した収入を確保する
借入希望額や返済期間を見直す
住宅ローンの事前審査に不安がある場合は、通過率を高めるために借入希望額や返済期間を見直しましょう。金融機関は申込者が無理なく住宅ローンの返済を続けられるかを重視しており、返済負担率を指標にします。返済負担率の割合が高いと返済能力を疑問視され、事前審査に通りにくくなる可能性があります。以下のポイントを確認して住宅ローンの返済計画を見直しましょう。
- 返済負担率を25%以内に抑える
- 総額で借入額を考える
- 頭金などの自己資金を増やす
- 返済期間を長くする
返済期間を長く設定すると毎月の返済額が下がり、返済負担率を低くできます。将来家計に余裕が出た際に住宅ローンの繰り上げ返済を検討しましょう。
他のローンを完済する

住宅ローンの事前審査を有利に進めるには、他のローンの完済が効果的です。他のローン返済があると住宅ローンに充てられる金額が少ないと判断され、希望額を借りられない可能性が高くなります。以下のローンがあると事前審査に影響を与える可能性があります。
- カードローンやキャッシング
- 自動車ローン
- 奨学金
- 携帯電話の分割払い
借入残高がゼロでもカードローンを契約しているだけで、いつでも借入可能な状態であると見なされます。使っていないカードローン契約は事前に解約しておきましょう。他のローンを完済した情報が信用情報に反映されるまでに時間がかかる場合があります。事前審査の申し込み前に他のローンの解約を済ませておくと安心です。
安定した収入を確保する
住宅ローンの事前審査を通過するには安定した収入の確保が欠かせません。金融機関は申込者が将来にわたって住宅ローンを返済し続けられるかを判断するため、収入の安定性を厳しくチェックします。金融機関が安定した収入と判断するポイントは以下のとおりです。
- 勤続年数
- 雇用形態
- 副業収入
- 勤務先の安定性
勤続年数が長いほど評価は高くなるため、転職を考えている場合は住宅ローン契約後がおすすめです。収入に占める歩合給の割合が高い場合は、収入が不安定と見なされる可能性があるので注意が必要です。副業での収入を合算したい場合は複数年分の確定申告書を提出し、収入が安定的であることを証明しましょう。
住宅ローンの事前審査に落ちた場合の対処法3選

住宅ローンの事前審査に落ちても諦める必要はありません。事前審査に落ちた理由を把握し、原因に合わせた以下の対策を講じましょう。
- 審査に落ちた理由を分析する
- 別の金融機関で再申し込みする
- 信用情報を改善する
審査に落ちた理由を分析する
住宅ローンの事前審査に落ちた場合、まずは落ちた理由を冷静に分析してください。金融機関は事前審査に落ちた具体的な理由を教えてくれません。原因が不明なまま別の金融機関の事前審査に申し込むと、同じ理由で事前審査に落ちる可能性が高くなります。事前審査に落ちる主な原因は以下のとおりです。
- 借入希望額
- 返済の遅延
- 他のローン
- 勤続年数
- 健康状態
- 物件の価値
別の金融機関で再申し込みする

住宅ローンの事前審査に落ちても、別の金融機関に申し込むことで通過できる可能性があります。金融機関ごとに住宅ローンの事前審査基準は異なり、重視するポイントもさまざまです。1つの金融機関の基準に合わなくても、他の金融機関であれば問題なく事前審査に通るケースもあります。
住宅ローンを取り扱う金融機関は以下のとおりです。
- メガバンク
- 地方銀行
- ネット銀行
勤続年数の短さが原因で事前審査に落ちた場合、収入や勤続年数よりも物件の性能を重視する「フラット35」の検討がおすすめです。短期間に多くの金融機関へ事前審査を申し込むと「申し込みブラック」と呼ばれ、お金に困っている印象を与えてしまいます。事前審査に不利になる恐れがあるため、再申し込みは2〜3行程度に絞りましょう。
» 住宅ローンの種類を金利タイプと返済方法別に詳しく解説!
信用情報を改善する
住宅ローンの再審査に臨むうえで信用情報の改善は欠かせません。金融機関は申込者の信用情報を厳しくチェックするため、信用情報を整えることで事前審査に通過できる可能性が大きく高まります。信用情報機関に情報開示を請求し、自分の状況を把握したうえで以下の対策を進めてください。
- 支払いの遅れをなくす
- 借入を整理する
- 不要なカードを解約する
- 事故情報が消えるのを待つ
- 短期間で複数のローンを申し込まないようにする
過去に大きな延滞などの事故情報が記録されている場合は、事故情報が消えるまで最長5年程度待つ必要があります。
住宅ローンの事前審査後の流れ

住宅ローンの事前審査後は住宅購入に向けての手続きが始まります。まず購入物件の売買契約を締結し、住宅ローンの本審査を申し込みます。本審査では事前審査よりも詳細な収入証明や資産状況などの書類提出が必要です。
住宅ローンの本審査が承認されると、金融機関との間で金銭消費貸借契約(※)を結び、借入金額や金利、返済期間などの条件が確定します。実際に融資が実行されると不動産会社へ代金が支払われ、物件の引き渡しが行われます。一連の手続きが完了すると、翌月から住宅ローンの返済が開始される流れです。
※ 金銭消費貸借契約とは、住宅ローンの融資を受ける際に「お金を借りて返す」ことを法的に約束するために金融機関と結ぶ契約です。
住宅ローンの事前審査に関するよくある質問

住宅ローンの事前審査に関するよくある質問について以下に回答します。
- 事前審査の結果は他の金融機関で利用できる?
- 事前審査に通ったのに本審査に落ちることはある?
- 事前審査と本審査の申し込みは同時にできる?
事前審査の結果は他の金融機関で利用できる?
住宅ローンの事前審査の結果は申し込みをした金融機関でのみ有効です。他の金融機関で事前審査結果を使い回すことはできません。
金融機関は独自の基準で事前審査を行っており、審査の項目や金利、提携する保証会社のルールはさまざまです。ある銀行の事前審査に通過した事実が他の銀行で有利に働くことはありません。複数の金融機関の住宅ローンを比較検討する場合は、各金融機関に事前審査を申し込む必要があります。
事前審査に通ったのに本審査で落ちることはある?

住宅ローンの事前審査に通過したのに本審査で落ちてしまうケースはあります。事前審査は簡易的な審査であり、本審査で提出された正式な書類をもとに、より厳密な確認が行われるためです。本審査で落ちる主な原因には以下が挙げられます。
- 申込内容と提出書類に相違がある
- 事前審査後に新たなローンを契約する
- クレジットカードやローン支払いに延滞がある
- 健康上の問題により団信に加入できない
- 転職や収入減少など収入面が不安定になる
- 物件の担保価値が金融機関の基準を満たさない
本審査が完了するまでは新たな借入を控えたり、ローンの支払いの延滞がないように注意したりするなど、慎重に行動しましょう。
事前審査と本審査の申し込みは同時にできる?
住宅ローンの事前審査と本審査の同時申し込みはできません。事前審査と本審査では審査の目的とタイミングが異なるためです。多くの金融機関では以下の流れで手続きが進みます。
- 事前審査
- 事前審査の承認
- 本審査の申し込み
一部の金融機関では事前審査がないケースもありますが、同時申し込みとは異なります。
住宅ローンの事前審査を正しく理解してスムーズに通過しよう

住宅ローンの事前審査はマイホームを手に入れるために欠かせない手続きです。事前審査に通過すると住宅ローンの借入可能額の目安がわかります。事前審査を通過するコツは以下のとおりです。
- 借入希望額や返済期間の見直し
- 他のローンの完済
- 安定した収入の確保
事前審査の通過には金融機関から信頼を得ることが欠かせません。事前審査に落ちた場合は原因を分析し、別の金融機関への申し込みや信用情報の改善を行いましょう。
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