マンション購入を検討する際、資産価値は重要な判断基準の一つです。しかし、将来の資産価値を予測することは難しく、多くの人が不安を感じています。この記事では、マンションの資産価値を決める要因や、資産価値が落ちにくいマンションの特徴について詳しく解説します。
記事を読めば、資産価値の高いマンションを見分けるポイントや、自分に合った物件の選び方を知ることが可能です。マンションの資産価値は、立地条件や建物の品質、管理状態など複数の要因によって決まります。人気エリアにあり、良好な管理状態を保っているマンションは、資産価値が落ちにくい傾向にあります。
マンションの資産価値を決める要因

マンションの資産価値を決める主な要因は、以下のとおりです。
- 立地条件
- 交通の利便性
- 建物の構造と設備
- 管理体制とメンテナンス
- 周辺環境とエリアのブランド力
マンションの将来的な価値や売却時の価格に大きく関わるので、購入を検討する際には慎重に評価しましょう。
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立地条件
資産価値を左右する最も重要な要素の一つが立地条件です。良好な立地条件は、長期的な資産価値の維持や上昇につながります。立地条件で重視すべき点は、以下のとおりです。
- 駅からの距離
- 都心部や主要ビジネス街への近接性
- 人口増加や開発が進んでいるエリア
- 生活利便施設の充実度
- 治安の良さ
生活利便施設にはスーパーや病院、学校などが含まれます。自然環境や緑地の豊かさ、高級住宅地や文教地区などの地域ブランド、再開発計画がある地域なども、立地の魅力を高める要素です。災害リスクの低さや日当たり、眺望の良さなども、快適な住環境を提供し、資産価値の維持に寄与します。
交通の利便性
便利な立地にあるマンションは、長期的な価値の維持が期待できます。交通の利便性を判断するうえで重要な点は、以下のとおりです。
- 最寄り駅からの距離
- 駅の規模や路線の充実度
- 都心部へのアクセス時間
- バス路線の有無と本数
将来的な交通インフラの整備計画にも注目しましょう。新しい路線の開通や駅の新設が予定されている地域では、将来的な資産価値の上昇が期待できます。
建物の構造と設備

建物の構造は、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造が一般的です。耐久性が高く、長期的な資産価値を維持できます。耐震性能も重要な要素です。制震・免震構造を採用しているマンションは高い安全性があります。断熱性能が高いと、快適な住環境を提供するだけでなく、光熱費の削減にも役立ちます。ちなみに、築古のマンションであっても、リノベーションによって高断熱を適えることができるようになってきているそうです。
マンションの設備面では、以下の点に注目しましょう。
- セキュリティシステム
- 駐車場・駐輪場
- エレベーター
- 共用施設
システムキッチンやユニットバス、エアコンなどの室内設備が充実していると、快適な生活を送れます。光回線対応のマンションは、高速なインターネット接続が可能です。
管理体制とメンテナンス
適切な管理が行われているマンションは、長期的に価値が保たれやすい傾向にあります。活発な管理組合は、建物の維持管理や修繕計画を適切に実施し、住環境の質を高めます。将来の大規模修繕に備えて十分な資金が積み立てられていると、建物の劣化を防ぎ、資産価値の低下を抑えることが可能です。また、新しいトレンドに乗っかった適切なマンション管理の運営ができます。例えば、在宅で仕事をする人が増加→置き配需要が増加といったトレンドに対して、宅配ボックスがあるといいな/もっと数があるといいな…といった変化に対して、しっかりと管理がなされているマンションであれば変化を捉えた対応を行うことができます。
定期的な清掃や設備点検の実施も、マンションの資産価値を保つために欠かせません。日常的なメンテナンスにより、建物の美観が保たれ、設備の不具合を早期に発見できます。管理会社の信頼性と実績も考慮しましょう。
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周辺環境とエリアのブランド力
良好な環境と高いブランド力を持つエリアは、マンションの長期的な資産価値の維持に役立ちます。以下の要素があるエリアのマンションは、資産価値が落ちにくいです。
- 閑静な住宅街
- 自然豊かな環境
- 充実した商業施設
- 高い治安
- 教育機関の充実
エリアのブランド力を高める要因には、高級住宅街や有名企業、歴史的な街並み、観光地、特産品の知名度などがあります。周辺環境とエリアのブランド力を評価する際は、実際に足を運び、街の雰囲気や住民の様子を確認しましょう。
資産価値が落ちにくいマンションの特徴

資産価値が落ちにくいマンションには、以下の特徴があります。
- 人気エリアにあること
- 良好な管理状態
- 需要の高い間取り
- 日当たりや眺望の良さ
- 層階が高いこと
人気エリアにあること
人気エリアにあることは、マンションの資産価値を維持するために重要です。多くの人が住みたいと感じる場所に立地していれば、将来的な売却や賃貸の際に有利になります。人気エリアの特徴は、以下のとおりです。
- 都心や主要駅に近い
- 交通のアクセスが良い
- 商業施設や公共施設が多い
- 教育環境が整っている
- 治安が良い
条件を満たすエリアは、常に需要が高く、資産価値の維持や上昇が期待できます。若い世代や家族向けの需要が高いエリアは、将来的な人口増加や開発の可能性も高いので注目しましょう。人気エリアの中でも、再開発計画がある地域や、自然環境が豊かで住環境が良好な場所は魅力的です。
ブランド力のある街として知られている地域も、資産価値の観点から見て有利です。人気エリアにあるマンションは、初期投資は高くなる傾向にありますが、長期的な視点で見ると資産価値の維持が期待できます。
良好な管理状態
適切に管理されているマンションは、長期的に価値が落ちにくい傾向です。良好な管理状態のマンションには、以下の特徴があります。
- 定期的に修繕や改修がされている
- 共用部分の整備が行き届いている
- 十分な修繕積立金がある
- 管理組合が機能している
- 長期的に修繕計画が実行されている
マンションの外観や設備の状態を良好に保つことが、住環境の快適さにつながります。防犯対策が十分になされていることも、良好な管理状態の指標の一つです。
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需要の高い間取り

需要の高い間取りは2LDK〜3LDKで、70〜80平米の広さが一般的です。ファミリー向けに人気があります。収納スペースが豊富で、子育てに適した間取りも高い需要があります。将来的な家族構成の変化に対応できる柔軟性や、在宅ワークにも対応できるワークスペースを備えている物件も人気です。とはいえ、独身世帯やDINKS世帯も増えてもいます。なので、需要のある立地であれば、基本的にはどんな間取り・広さでも大丈夫では?というのが個人的な見解ではあります。もちろん、立地によって1人・2人暮らしがメインかファミリーがメインか…などはあると思いますが。
需要の高い間取りを選べば、将来的な資産価値の維持にもつながります。
日当たりや眺望の良さ
南向きや東南向きの部屋は日当たりが良く、高い評価を受けます。高層階の部屋は眺望が良いため、人気が高くなる傾向です。周囲に高層ビルがなく将来的にも眺望が確保される立地や、窓が大きく室内が明るいマンションは資産価値が高くなりやすいです。角部屋は採光や通風が良いため、プレミアムがつきやすくなります。
眺望や日当たりを遮る建物の建設計画がないか、事前に確認することも大切です。季節や時間帯による日当たりの変化も考慮する必要があります。
層階が高いこと
層階が高いことは、マンションの資産価値を維持するうえで重要な要素の一つです。高層階のマンションには、以下のメリットがあります。
- 眺望や日当たりが良い
- プライバシーが確保しやすい
- 騒音や振動が少ない
- 安全性が高い
高層階のマンションは需要が高く、希少性があるため、資産価値が維持されやすいです。将来、賃貸に出す際も人気が高いので、安定した収入が期待できます。ただし、低層階と比べて価格が高い、災害時の避難に時間がかかるといった注意点もあります。個人的には、実際に自分たちが暮らすことになることも考えると、立地よりは優先度を落としてもいいかなという見解です。
多少のデメリットがあっても、高層階のマンションは資産価値の面で魅力的です。
築年数とマンションの資産価値の関係

マンションの資産価値は築年数と密接な関係があります。築年数が資産価値に与える影響と新耐震基準の重要性について、詳しく解説します。
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築年数が資産価値に与える影響
築年数が増えるほど、資産価値は低下するのが一般的です。築20年を過ぎると、資産価値の下落が加速する場合が多くなります。ただし、築年数による価値低下は一律ではありません。立地や管理状態によって大きく異なります。人気エリアの物件は築年数の影響を受けにくく、資産価値を維持しやすいです。
適切な修繕や改修を行えば、資産価値の低下を抑えられます。デザイン性や設備の質が高い物件も、築年数の影響を受けにくい傾向があります。築古物件でも、リノベーションを行うことで資産価値を向上させることが可能です。
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新耐震基準の重要性
新耐震基準は、マンションの資産価値を維持するうえで重要な要素です。1981年以降に建てられた建物に適用される基準で、地震に対する安全性を大幅に向上させました。新耐震基準を満たすマンションは、旧基準の約1.5倍の強度を持ち、倒壊リスクが低く設計されています。
耐震改修や建て替えの必要性が低いため、新耐震基準を満たすマンションは中古物件市場でも高い需要があります。住宅ローンの審査で有利に働くことがあるため、将来的な売却や賃貸の際にも良い条件が得られやすいです。中古マンションを購入する際は、新耐震基準を満たしているかどうかを確認しましょう。その他にも、住宅ローン控除の面も新耐震基準でない場合にはメリットが薄かったり、それゆえに、出口(売却)の難易度があがったり…という点は留意が必要でしょう。
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マンションの資産価値の調べ方

マンションの資産価値を調べる方法は、以下のとおりです。
- 市場相場と過去の取引事例の確認
- 固定資産税評価額の確認
- 公示価格と路線価の利用
- 専門家による売却査定
市場相場と過去の取引事例の確認
マンションの適正価格を把握するために、市場相場と過去の取引事例の確認は重要です。以下で情報を集めましょう。
- 不動産情報サイト
- 国土交通省のサイト
- レインズ
- 不動産会社への依頼
不動産情報サイトでは、同じエリアや同じ築年数の物件の価格を比較できます。国土交通省のサイトでは、実際に取引された価格を知ることが可能です。レインズは不動産業者向けのシステムで、成約価格の情報が豊富です。複数の方法を組み合わせることで、より正確な市場価値を把握できます。 なので、レインズでないと取得できないような情報については、積極的に不動産会社へお尋ねしていました。
固定資産税評価額の確認

固定資産税評価額を確認すると、物件の大まかな価値を知ることが可能です。固定資産税評価額は、課税明細書や市区町村の税務課で確認できます。評価額は3年ごとに見直されるので、最新の情報を把握することが大切です。一般的に、固定資産税評価額は実勢価格の7割程度とされています。土地と建物は別々に評価されます。
固定資産課税台帳に詳細な情報が記載されているので、必要に応じて確認しましょう。固定資産税評価額は、固定資産税の計算基準にもなっています。将来の税負担を考えるうえでも、固定資産税評価額を把握しておくことは重要です。
公示価格と路線価の利用
公示価格と路線価を活用することで、周辺地域の価値の推移やマンションの土地部分の評価を把握できます。公示価格は、国土交通省が毎年1月1日時点で公表する標準地の価格です。一方、路線価は、国税庁が同じく1月1日時点で公表する道路に面した土地の1平方メートル当たりの価格を指します。
一般的に、公示価格は実勢価格の80%程度、路線価は公示価格の80%程度です。公示価格と路線価は、オンラインで簡単に閲覧ができる信頼性の高い公的な指標です。上手に活用すれば、マンションの資産価値をより正確に把握できます。
専門家による売却査定
専門家による売却査定は、マンションの資産価値を正確に把握するのに有効です。不動産のプロフェッショナルが客観的な視点で物件を評価するので、信頼性の高い査定結果が得られます。査定の流れは以下のとおりです。
- 複数の不動産会社に無料査定を依頼
- 物件の状態や設備を確認
- 周辺環境や市場動向を考慮し総合評価
専門家は豊富な経験と知識を活かし、物件の強みや弱みを具体的に指摘してくれます。将来的な価値の変動予測の意見も聞けるので、価格評価にとどまらず、売却戦略を立てる際にも参考になります。
資産価値の高いマンションを見つける方法

資産価値の高いマンションを見つけるには、複数の方法を組み合わせることが重要です。以下の方法を組み合わせて、自分に合った物件を見つけましょう。
- 不動産エージェントを活用する
- オンラインで市場調査する
- 現地視察で実態を確認する
不動産エージェントを活用する
不動産エージェントは市場動向や物件の特徴を熟知しているので、活用すれば適切なアドバイスを得られます。複数のエージェントと相談し情報を比較したり、エージェントの専門知識や市場分析を活用したりすると効果的です。最新の物件情報や非公開物件の情報を入手できるのも大きなメリットです。
エージェントを選ぶ際は、経験や実績を確認してください。希望をしっかりと伝え、エージェントの推奨物件だけでなく、自分の条件に合った物件を探してもらうことが重要です。エリア別の将来性や開発計画についても、エージェントに相談しましょう。資産価値の高い物件の特徴や傾向を確認すれば、より良い選択が可能です。
契約時の注意点や法的手続きについても、エージェントのアドバイスは役立ちます。エージェントの交渉力を利用すれば、良条件での購入も期待できます。
オンラインで市場調査する

オンラインで市場調査をすれば、幅広い情報を効率的に得ることが可能です。以下で情報収集を行いましょう。
- 不動産ポータルサイト
- 価格推移・取引履歴サービス
- 国土交通省の情報
- 市場動向レポート
- 不動産会社の分析情報
複数の方法を組み合わせることで、マンションの資産価値に関する多角的な情報を得られます。オンラインの地図サービスを使って周辺環境を確認したり、自治体のホームページで地域の開発計画を調べたりするのも有効です。
SNSやブログで地域の口コミ情報を収集すれば、数字だけではわからない生活実感にもとづいた情報を入手できます。最近では、不動産アプリでAIによる物件の将来価値予測を確認できるサービスも登場しています。最新技術を活用することで、より精度の高い市場調査が可能です。
現地視察で実態を確認する
実際に物件を見ることで、写真や情報だけではわからない細かな点まで確認できます。現地視察を行う際は、以下の点を重点的にチェックしましょう。
- 外観・共用部分
- 周辺環境
- 日当たり・眺望
- 交通の便
- 構造・設備
- 居住者の様子
実際に現地を訪れると、管理人や住民から直接情報を得られる可能性もあります。駐車場や自転車置き場の状況、防犯対策や安全性などを確認できるので、生活のイメージもつかみやすいです。
まとめ

マンション購入を考えている方は、立地や交通利便性、建物の構造、管理状態などをしっかりチェックしましょう。人気エリアにあり、管理がしっかりしていて、需要の高い間取りの物件を選べば、資産価値を維持できます。新耐震基準を満たしているかも重要なポイントです。
資産価値の高いマンションを見つけるには、不動産エージェントの活用や現地視察が効果的です。立地選びと適切な管理を心がければ、長期的に資産価値を維持できる可能性が高くなります。市場相場や取引事例を確認し、専門家のアドバイスも参考にしながら、慎重に物件を選んでください。
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