「マイホームを持つ夢を叶えたいけど、新築は予算的に厳しい」とお悩みではありませんか?マイホームが手頃な価格で手に入る団地のリノベーションに関心があっても、建物の古さに不安を感じる方もいるかもしれません。この記事では団地のリノベーションのメリット・デメリットや費用、成功のポイントを解説します。
記事を読めば団地のリノベーションが自分に合うかがわかり、賢い家づくりの第一歩を踏み出せます。価格が安いだけでなく、構造がしっかりしている点や防犯性が高い点などは団地のリノベーションのメリットです。団地の既存の要素を残したり、補助金制度を上手く活用したりして、賢く理想の住まいを手に入れましょう。
団地をリノベーションするメリット

団地をリノベーションするメリットは以下の5点です。
- 物件価格が安く、予算内で収まりやすい
- 立地が良く、利便性の高いエリアが多い
- 建物構造がしっかりしている
- レトロな雰囲気や外観を楽しめる
- コミュニティが存在し、防犯性・安心感がある
物件価格が安く、予算内で収まりやすい
物件価格が安く、予算内で理想のマイホームを手に入れやすい点は団地をリノベーションする大きなメリットです。新築のマンションや一般的な中古マンションと比べると、団地は同じ予算でもより広い部屋を選べます。団地は物件の値段が安い分、リノベーションの際に内装や設備に費用をかけられます。
費用を賢く使って自分らしく快適な家を作りたいと考える方に、団地のリノベーションはおすすめの方法です。
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立地が良く、利便性の高いエリアが多い

多くの団地は、暮らしやすさを考慮して利便性の高いエリアに作られています。主要な駅や都心部へのアクセスが良い場所にある団地を選べば、通勤・通学時間の短縮が可能です。スーパーや商店街まで歩いて行ける距離にある団地も多くあります。
子育て中の方は学校や保育園、幼稚園が近くにある団地を選ぶことがおすすめです。団地の周辺には公園や緑地が計画的に配置されており、子どもたちがのびのびと遊べる環境が整っている場合もあります。利便性の高いエリアの住宅は長期的な資産価値も見込めるため、団地のリノベーションは賢い選択になります。
建物構造がしっかりしている
団地は古いという印象を持たれがちですが、実は建物がとても頑丈で、安心して長く暮らせる点が魅力です。多くの団地は鉄筋コンクリート構造で、耐震性が高い特徴があります。長期修繕計画にもとづき、定期的なメンテナンスが実施されている点も団地の安心できるポイントです。
見た目の古さではなく構造的な強さに注目すると、団地はリノベーションに最適な建物と言えます。
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レトロな雰囲気や外観を楽しめる

長い年月を重ねた趣のある雰囲気や個性的な外観は、団地ならではの魅力です。機能美を追求した建物の水平ラインやモザイクタイル、色ガラスのディテールなどは、時代を反映したデザインの例です。リノベーションにより、団地の持つレトロな外観や雰囲気を残したまま、内部を現代的で快適な空間へ刷新できます。
住まいにストーリー性や個性を求める方にとって、団地のリノベーションは魅力的な選択肢です。
コミュニティが存在し、防犯性・安心感がある
団地では住民同士の顔が見える関係性が築かれやすく、コミュニティが存在するケースが多くあります。管理組合や自治体などの組織が機能しており、団地内の防犯意識の向上にも貢献しています。団地内のコミュニティの活動例は以下のとおりです。
- 共用部分の清掃
- 設備の維持管理
- 防犯カメラの設置
- 祭りやイベントの主催
- 高齢者や子どもへの声かけ
子育て中の家庭は、団地内で同じ境遇の家族との情報交換や助け合いができます。団地内の設備が管理組合や自治体によって適切な状態に保たれていることも、防犯につながる重要な要素です。
団地をリノベーションするデメリットと注意点

団地をリノベーションするデメリットと注意点として、以下の4点を解説します。
- 間取り変更の制限がある
- 共用部分は手を加えられない
- エレベーターがない物件が多い
- 設備が古く性能が不十分な物件がある
間取り変更の制限がある
団地をリノベーションする際は、建物の構造や団地の管理規約などにより、間取り変更の制限がある場合があります。構造上の制約には、壁の撤去や水回りの移動などが挙げられます。
壁式構造の団地の場合、間仕切り壁を取り払って広い部屋を作りたくても壁を自由に取り払うことはできません。団地では排水の勾配や配管経路の関係で水回りのリノベーションができない可能性もあります。
共用部分は手を加えられない
団地のリノベーションをする際は、共用部分には手を加えられない点を覚えておきましょう。団地の共用部分には以下の箇所が該当します。
- 玄関ドアの外側
- 窓の外側やサッシ
- バルコニーやベランダ
- 外壁
- 共用廊下・階段
- エレベーター
- 共用部分の水道管・排水管
- 共用部分の電力配線・ガス配管
- 建物の骨組み(柱・梁・壁)
団地では、どこからが共用部分なのか判断が付きにくいケースもあります。団地のリノベーション計画を立てる前に、あらかじめ共用部分に関する管理規約を確認しておきましょう。
エレベーターがない物件が多い

エレベーターが設置されていない物件が多くある点は、団地リノベーションを選択するうえでのデメリットです。団地でエレベーターがない場合、日々の荷物の持ち運びやゴミ出しなどが不便になります。妊娠中の方やベビーカーを使う方、高齢の方などは階段の上り下りが大きな負担になるため、特に慎重な検討が必要です。
将来的に物件の売却を検討する際も、団地のエレベーターの有無は価格や売却のしやすさに影響を与えます。
設備が古く性能が不十分な物件がある
築年数が古い団地をリノベーションする際は、設備や性能が現代の生活水準に適っているかを確認しましょう。団地の設備が古く、性能が不十分な場合に不便な点は以下のとおりです。
古い設備 | 不便な点 |
キッチン、浴室、トイレ | 機能が少なく、使い勝手が悪い |
給湯器や室内の配管 | 故障や水漏れトラブルが起こる可能性がある |
断熱材 | 夏は暑く冬は寒い |
窓ガラスやサッシ | 外気が伝わりやすく、結露が起こりやすい |
コンセント | 数が少ない、使いにくい場所にある |
換気扇 | 部屋の空気がこもり、カビが生えやすくなる |
団地によってはインターネット利用に必要な光回線が引き込みにくいケースも見られます。団地の設備や性能に問題がある場合は、改善のためにリノベーション費用がより多くかかる可能性があるため注意が必要です。
団地のリノベーションの費用を抑えるコツ

団地のリノベーションの費用を抑えるコツを3つ紹介します。
- 使える設備を残す
- 優先順位を決める
- 補助金・減税制度を活用する
使える設備を残す
団地のリノベーションで費用を抑えるためには、まだ十分に使える設備を見極めて活用することが効果的です。浴室の場合、ユニットバスが新しければ壁面パネルだけを交換するなどの選択が可能です。団地の室内ドアやクローゼットの扉などの建具も、塗装やクロスの張り替えによって見た目を一新できます。
団地の電気系統の工事は高額な費用がかかる場合が多くあります。配線やスイッチの位置は既存の状態を活かすことで、工事費用の大幅な軽減が可能です。
優先順位を決める

団地のリノベーション費用を予算内に納めるには、優先順位を明確にさせる必要があります。リノベーションですべての希望を叶えようとすると、予算が際限なく膨らむ可能性があります。家族で以下の点を話し合い、団地のリノベーションに求める優先順位を決めましょう。
- 実現したいこと
- 譲れないポイント
- 我慢できるポイント
- デザイン性と使いやすさのバランス
- 将来のライフスタイルの変化
- 将来の家の価値
団地のリノベーションで実現したいことは「おしゃれなデザイン」「便利な間取り」など、各家庭で異なります。家族にとって特に力を入れたい部分を見極めれば、必要な工事内容が明確になります。
補助金・減税制度を活用する
補助金・減税制度を活用することも、団地のリノベーションの費用を抑えるうえで役立ちます。団地のリノベーションで活用可能な補助金・減税制度は以下のとおりです。
補助金・減税制度 | 内容 |
住宅ローン減税 | 一定の条件を満たせば所得税などの一部が還付される |
子育てエコホーム支援事業 | 環境に配慮した住宅の改修に対して支援を受けられる |
長期優良住宅化リフォーム推進事業 | 耐久性や断熱性、居住性を向上させるリフォームに活用できる |
固定資産税の軽減措置 | 耐震や省エネ、バリアフリー改修などを行った場合に減税される |
都道府県や市区町村などの自治体がリノベーションに対して独自の補助金・減税制度を設けているケースもあります。団地のリノベーションを計画する際は、自身の条件に該当する制度がないか調べてみましょう。
団地リノベーションを成功させるためのポイント

団地リノベーションを成功させるためのポイントを3つ解説します。
- 生活動線とデザインのバランスをとる
- 家族構成の変化を見越した間取りにする
- 近隣住民との関係性も意識した配慮をする
生活動線とデザインのバランスをとる
団地のリノベーションを成功させるために、生活動線とデザインのバランスをとりましょう。機能的な生活動線のポイントは以下のとおりです。
- キッチンから洗面所までの動線
- 洗濯機からバルコニーまでの動線
- ゆったり動けるリビングやダイニングの配置
- 適切な場所と量の収納
毎日を過ごす部屋は機能性だけに偏り過ぎず、好みのデザインで心地よい空間であることも大切です。デザイン性を高めるために、以下の工夫をしましょう。
- 全体のテーマを決めて家具や色を決める
- 採光を良くする
- 壁に飾り棚を付ける
- 間接照明を使う
- 天然素材を取り入れる
生活動線とデザインのバランスをとって団地のリノベーション計画を立てれば、愛着の湧く住まいが作れます。
家族構成の変化を見越した間取りにする

出産などで家族構成が変わると、必要な部屋の数や使い方にも変化が生じます。団地のリノベーションの際に将来の変化に対応できる間取りにしておくと、再度改修工事をする必要がなくなります。リビングの一角に勉強や仕事ができる多目的スペースを作ると、大家族になってもスペースが活用できるためおすすめです。
子ども部屋として広い部屋を用意し、子どもが増えたら間仕切り壁や家具で部屋を分けることも良い方法です。柔軟な収納設備を設置し、家族構成の変化によって収納する物の量や種類が変わっても対応できるようにしましょう。
近隣住民との関係性も意識した配慮をする
団地のリノベーションを行い、気持ちの良い新生活をスタートさせるためには、近隣住民への配慮も欠かせません。団地のリノベーション開始前には以下の点に注意しましょう。
- 隣宅や上下階へ挨拶に行く
- 管理規約の禁止事項を事前に確認する
- 管理組合への工事申請や届け出を忘れずに行う
- 近隣住民への配慮が行き届いたリノベーション会社を選ぶ
団地のリノベーションが終わったら、あらためて工事中のご迷惑へのお詫びとご協力への感謝を伝えに行きましょう。新生活が始まったら防音対策やゴミ出しのルールの徹底などにより、近隣住民への配慮を続けることも大切です。
団地リノベーションの事例集

以下の団地リノベーションの事例集を紹介します。
- ナチュラルで温かみのある暮らし
- 子育てに最適な安心空間
- リゾート風のオリジナルキッチン
- 築年数を活かしたヴィンテージスタイル
ナチュラルで温かみのある暮らし
団地のリノベーションでは、以下の要素を取り入れるとナチュラルで温かみのある暮らしを実現できます。
- 無垢材のフローリング
- 漆喰の壁
- 白やベージュの優しい色味
- 木の温もりを感じさせる配色
- 観葉植物
- 間接照明
リノベーションで自然素材を取り入れると、経年変化していく素材感や、心が落ち着く柔らかな雰囲気が楽しめます。ナチュラルなテイストは団地ならではのレトロな味わいとも調和し、懐かしくも新しい住まいの雰囲気になります。
子育てに最適な安心空間
子育て中の方は団地のリノベーションに以下の要素を取り入れましょう。
- キッズスペース
- 大容量の玄関収納
- 角が丸い家具
- 指を挟みにくい引き戸
- 汚れや傷に強い床材や壁紙
- みんなで使える幅の広い洗面台
- タオルや着替えの収納スペース
リビングから目が届く場所にキッズスペースを設ければ、家事をしながらでも子どもを見守りやすくなります。リビングの一角にスタディカウンターや本棚を設置すれば、親子で学習やコミュニケーションを楽しめます。団地の緑豊かな環境を生かし、子どもが日常的に外を眺めやすい間取りにすることも良い方法です。
リゾート風のオリジナルキッチン

団地のリノベーションで海外のリゾートホテルのような、リゾート風オリジナルキッチンを手に入れられます。おしゃれなキッチンがあると日々の料理が楽しくなり、家族や友人とも豊かな時間を過ごせます。団地にリゾート風キッチンを作る際のポイントは以下のとおりです。
- 自然素材を活用する
- 白・ブルーを基調とする
- ムーディーな照明を設置する
- 窓を活かした採光を取り入れる
- 生活感を抑えながら収納する
- 飾り棚やカウンターを設置する
素材やデザイン、間取りの工夫により、毎日リゾート気分を味わえる特別なキッチンを作りましょう。
築年数を活かしたヴィンテージスタイル
ヴィンテージスタイルは、築年数を重ねた団地のリノベーションだからこそ実現できる独特のスタイルです。古い団地特有の小さなタイルや鉄製のサッシ、すりガラス入りの建具などをあえて残すこともおすすめです。
ヴィンテージ家具や古材を使った棚やダイニングテーブルなどを組み合わせれば、古民家カフェの雰囲気を演出できます。団地のリノベーションでヴィンテージスタイルを実現するポイントは、古いものを味わいとして受け入れることです。
築年数をマイナスに捉えるのではなく「時間が育てた個性」として活かせば、おしゃれな住まいが手に入ります。
まとめ

団地のリノベーションは、予算を抑えながら理想の住まいが得られる賢い選択肢です。多くの団地は便利な場所に建っており、建物が丈夫な構造で作られているメリットがあります。既存の設備を活用することやリノベーションの優先順位を見極めることなどが、費用を予算内に抑えるためのポイントです。
リノベーションを成功させるためには、生活動線とデザインのバランスや近隣住民への配慮なども検討しましょう。リノベーションで古い団地ならではの雰囲気を活かせば、独特の味わいのある住まいが作れます。低予算でマイホームを持ちたい方は、団地のリノベーションを一つの候補に入れることをおすすめします。
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